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音響機器メーカー オンキヨー オーディオ部門の社員3割削減へ

経営不振に陥っている音響機器メーカー「オンキヨー」は、いったんはまとまった家庭用オーディオ事業の売却が中止となったことから、この部門に携わる社員の3割を削減し、経営の合理化をはかる方針を発表しました。

大阪市に本社がある「オンキヨー」は、おととしまで5年連続の最終赤字となっていて経営の立て直しのためことし5月、アメリカの音響機器会社に家庭用オーディオ事業を売却することでいったんは合意しました。

しかし、その後、双方とも契約の条件を満たすことが難しくなったとして先月事業売却を中止し、戦略の見直しを迫られていました。

このため「オンキヨー」は、オーディオ事業を自社で続けるため、この部門に携わる社員の3割を削減し、合理化をはかる方針を発表しました。

また、一段のコスト削減のため大阪 北浜にある本社を閉鎖し、大阪に2か所、東京に1か所と分散していた技術部門とともに新たにつくる東大阪市の拠点に集約するとしています。

オンキヨーとしては家庭用オーディオ事業を継続しつつ、安定した収益につながる家電メーカーや自動車メーカー向けのスピーカーを製造する事業を強化する考えです。

高品質にこだわるも競争力喪失

国内のオーディオメーカーは、かつては高い技術力を背景に国際的にも通用するブランドを確立していました。

中でも「パイオニア」、「山水電気」、それに「トリオ」、のちの「ケンウッド」は1980年代には「国産オーディオ御三家」と称されていました。

しかし、音楽の世界ではデジタル化が進み、インターネットを通じた音楽配信が普及して、スマホなどでも気軽に音楽を聴けるようになりました。

海外メーカーが次々と参入し、消費者ニーズに合った製品を供給する一方、日本メーカーは自社の技術力を生かそうと高品質路線にこだわり、次第に競争力を失っていきます。

「山水電気」は2014年に破産。

「パイオニア」は2015年に家庭用オーディオ事業を「オンキヨー」に売却。カーナビゲーション事業に集中してきましたが、経営の立て直しのためことし3月で上場を廃止し、香港のファンドの傘下に入りました。

そして、パイオニアから家庭用オーディオ事業を引き継いだオンキヨーも事業をいったんは売却しようと試み、事業を続けることの難しさがうかがえます。

一方、「ケンウッド」は2008年に「日本ビクター」と経営統合する道を選び、現在は「JVCケンウッド」として、カーナビ事業を収益の柱にする業態転換を果たしています。


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